初期研修医前の準備

初期研修医

暖かくなってきましたね。もうすぐ4月。

医学生は医大を卒業し、もうすぐ初期研修医として働きはじめます。

この記事では初期研修医、あるいは新社会人が準備すべきこと、準備しなくてもよいこと、心構えなどをリストアップしたいと思います。

自分が当時こうしておけばよかったという反省もこめたものです。

準備すべきこと、やっておくべきこと

  1. お金の勉強
  2. 家計簿をつける
  3. 民間医局の登録
  4. 専門医資格取得要件の確認
  5. パソコン

①僕が最も大事だと思うのは、お金の知識を身に着けておくことです。

ここでのお金の知識とは、日本の社会保障制度、税金、民間の保険、投資などです。

学生時代にアルバイトをして、かつ確定申告もしていたよという方もおられるかもしれません。

しかし、多くの若者はお金に関する知識を学校で学んできていません。

にもかかわらず、社会人になったとたん、給与からどんどん社会保険料、所得税、住民税が差し引かれていきます。

また、働き始めると多くの人が生命保険の勧誘を受けたり、不動産投資の勧誘を受けるといった経験をするかと思います。

さらに、まとまった所得があると、NISAやiDeCo、ふるさと納税といった国の制度を活用する機会もでてくるでしょう。

お金の知識が不十分だと、無駄な出費をしてしまったり、得する機会を逃したり、あるいは得をしたと思ったけど実はもっと良い方法があったみたいなことがおこります。

いざ研修医として働き始めると、始めは右も左もわからない状態になります。

心の余裕がなくなる可能性があるので、せめて医業と関係のないお金の知識は働き始める前にけておいた方が良いと思います。

今の時代はSNSなどで少し調べるとすぐに有益な情報が見つかります。春休みのうちに調べておきましょう。

②次にしておくことは家計簿をつけることです。

医師は忙しいけど収入が安定している仕事です。そして、医療を通じて社会貢献をしているという満足度の高い職業です。

それゆえ、お金に無頓着な人も多いです。

新社会人として働き始めてリタイアするまでの期間は長いです。

日々の支出を気にしているかどうかで、最終的な貯蓄は大きく変わってきます。

僕は支払いはできるだけクレジットカードで済ませて、月に一度エクセルに収入や出費をまとめています。そして年に一度は資産と負債を確認しています。

また、今では家計簿アプリもたくさん出ています。

各種銀行口座や電子マネー、クレジットカードを連携して一括管理できます。

さらに、わざわざ収入や支出をエクセルに打ち込む手間も省けて楽になります。

個人的な印象としては、有料版であればマネーフォワード、無料で使う範囲ならzaimがおすすめです。

ただ、まだエクセルの方が細かいカスタマイズがしやすく、過去の収支や資産の比較もやりやすいと感じます。

今後もっと使いやすい家計簿アプリが出てくることに期待したいですね。

なお、余力があれば、簿記3級やFP3級といった資格のテキストを読んでみても良いと思います。

家計簿のつけ方の参考になります。

③そして民間医局に登録しましょう。

これは急ぐ必要はありませんが、登録するだけなら無料です。

医師向けの求人やスポットアルバイトの情報を得ることができます。

また、Docors Magazineなど医師向けの情報誌を購読することができます。

初期研修医の間に転職やアルバイトをすることはほとんどないと思いますが、自分の処遇を客観的に見れるようになり、将来的なキャリアプランを立てる一助になると思います。

④もう一つ、専門医資格取得要件を確認しましょう。

専門の診療科を決めるのは2年間の初期研修が終わった後なので、これも急ぐ必要はありません。

そもそも初期研修医として働き始めた段階では将来の専門が決まっていない人もいるでしょう。

しかし、専門を決めたらすぐに専門医資格取得要件を確認してください。

なぜなら、学会への登録が必要であったり、3年目以降の勤務先の病院について検討しなければならなかったりするからです。

初期研修医1年目の間にはある程度将来の専門を絞り込んでおいた方が良いと思います。

⑤最後にパソコン

ここで注意しなければならないのは、そもそも、仕事は病院内で完結させて、自宅に持ち帰るべきではありません。

しかし、実状として、学会発表などの準備を勤務時間中に終わらせるのは難しく、自宅に持ち帰って準備することもあると思います。

近年はオンラインでの学会発表も増えてきています。パソコンは簡単な動画編集ができるくらいのスペックはあった方がよいです。

画面が大きい方が作業がしやすいと感じます。持ち運びやすさと天秤にかける必要はありますが。

準備しなくていいこと

  1. 聴診器
  2. 白衣
  3. 参考書

①聴診器は不要です。

学生の時に購入した人も多いと思うので、それをそのまま使用しても大丈夫ですが、聴診器を持っていない人が買いなおす必要はありません。

通常は聴診器など診療に必要なものは病院の備品として置いてあります。

また、初期研修医を受け入れているような病院はある程度大きな総合病院で、設備も整っている場合が多いです。

気軽にエコーを使えることが多いので、聴診器の重要性は低いです。

もちろん、こだわりをもってMy聴診器を買うのは悪いことではありませんよ。

しかし、My聴診器を購入する際は必ず名札を付けましょう!病院の備品と間違われて勝手に使用されて紛失しかねません!

ますおさん は初期研修医時代に聴診器を誰かに使用され、そのままどこかへ行ってしまわれました…。

②白衣も聴診器と同様に購入しなおす必要はありません。

学生の時から持っている白衣を使ってもよいですし、病院から貸与があったり、共同で購入する場合もあるでしょう。

就職前から準備する必要はありません。

③働き始める前に参考書を買う必要はありません。

これについては反論があるかもしれません。

春休みの間にしっかり本を読んで実臨床の手技や知識を身に着けるべき!という意見があるのもごもっともです。

しかし、医学書についても病院の備品として用意されていたり、他の医師が不要になった本を残していたり、あるいはMRさん(製薬会社の営業の方)が医薬品や医療機器に関する情報をまとめた冊子を提供してくれたりします。

また、近年は昔と違って「単なる知識」の価値は低く、インターネットにいくらでも転がっています。

医療に関する情報も例外ではなく、ほとんどはネットで調べたら簡単に出てきます。

わざわざお金を出して参考書を買う必要があるかどうかはよく考えた方がよいと思います。

働き始めて、どうしてもその参考書が必要だと思うまでは急いで買う必要はないでしょう。

ちなみに、ますおさんは学生時代、初期研修医時代は参考書はほとんど買っていません。通信講座も受講していません。

貰い物、掘り出し物の教科書、インターネットの情報、学術論文を極力つかうようにしています。

ますおさん は、専門が決まってからいくつかの専門書を購入しましたが、どれも病院の備品として備わっているもので、勉強のためというよりも所有欲を満たすために近い気がします。。

心構え

  1. 仕事とプライベートを分ける
  2. 無理をしない

研修医にかぎらず、新社会人は生活がガラッと変わります。

特に4月は右も左もわからない状態で、忙しいのに成果は上がらず、ただ時間だけがどんどん過ぎていきます。

その中でずっと職場に張り付いて仕事をしてしまう、自宅に帰っても仕事のことが頭から離れないといった状況に陥りがちです。

そして、必ず心身の不調を来してしまう人がでてきます。

そうならないために、仕事とプライベートをしっかり区別するのが大事です。

趣味の時間、遊びの時間を確保しましょう。

そして、同僚と比較をしないのも大切です。

あの人は手際よくこなしているのに、自分はうまくできない、時間がかかるとなると、つい無理をしてしまいがちです。

仕事に優先順位をつけて、優先順位の低いものは同僚や上司を頼るようにしましょう。

デキる医師はたいてい勉強好きで、かつ教えるのも好きです。

医療の現場ではちょっとしたミスが重大な結果を招きかねません。

一人で抱え込んで無理をせず、どんどん相談する、仕事を振ることが業務がうまく回るコツです。

そして本当にツラいときには逃げるということも大事です。心身の不調を来すときは、仕事だけでなく、人間関係にも問題があることもあります。パワハラとかですね。

医師は売り手市場です。今現在の職場にこだわりすぎることはありません。

まとめ

いかがでしょうか?

今回は、ますおさん 個人の経験に基づいているので、いろんな方の意見を参考にすると良いと思います。

日本人は圧倒的にお金の知識が乏しいように感じます。

特に医者はなまじ収入が安定しているだけに、確認するのは銀行口座残高のみで、給与明細も確認しないというような人が非常に多いです。

働き始める前に、まずはお金の知識を身に着けておきましょう

また、初期研修医として働き始めるにあたり、基本的に診療に必要な物品は病院に備わっています。

まずは現場を見てから自分に必要なものを判断して積極的に取り入れていくと良いでしょう。

新社会人はそれまでの生活と大きく変わります。

初めは慣れない仕事で四苦八苦すると思いますが、仕事とプライベートを混同してしまわないようにしましょう。

無理はせず、仕事も気楽に、プライベートも楽しんで。

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